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脳<下>「ブレーンフード」コリンに注目 記憶や筋肉に関係

大豆に含まれる「大豆レシチン」が肝臓でコリンに合成される

 この不飽和脂肪酸は、ネズミを使った実験や小学生を対象とした研究などで学習能力が向上することが報告されている。これらの数々の研究から、脳の神経回路の構造をつくっている成分であること、脳が働いて情報伝達をする時に使われていることなどが分かってきている。

「日本人は、DHAをサンマやイワシ、サバ、アジ、サケなどの青魚からよく取っていますが、それだけでは十分ではないと考えています。不飽和脂肪酸は、貝類や海藻、クルミなどをはじめとするナッツ類、キウイなどにも豊富に含まれています。いろいろな食品から摂取したり、サプリメントで補ったりすることをお勧めします」

 ビタミンB群も脳には重要で、中でもビタミン「B6」「B9(葉酸)」「B12」は、脳の萎縮程度を軽くする可能性があることが分かってきている。また、ビタミンB群は血管を損傷させたり、神経細胞を壊したりする「ホモシステイン」という物質の値が高まることを抑制する効果があることが認められている。

 食品としては、カツオやマグロなどの「魚類」、牛・豚・鶏の「レバー」、ホウレンソウや春菊・枝豆・アスパラガスなどの「野菜」、シジミやアサリなどの「貝類」に多く含まれている。

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