アトピー性皮膚炎は症状を繰り返すのが当たり前な病気ではない

積極的な治療をしない医師もいる

 ただし、最大限の効果と副作用を出さないためにはメリハリが必要だ。片岡医師は「ワン・ツー・スリー」という3ステップで患者に塗り方を説明している。

「ワン」は毎日薬を塗って短期間で皮膚をつるつるにし、TARCも正常レベルにする。

「ツー」は、見た目が良くなっても同じ薬を同様に塗る。

「スリー」では症状のない状態をキープしながら1日置き、2日置きと塗る回数を減らしていく。

 ワン、ツーはそれぞれ1カ月、3カ月目からスリーが目安だ。

「最終的には、ステロイド外用薬は最小限で保湿だけで症状が出ない状態をキープできることを目指します」

 かつての“ステロイドバッシングの影響”がいまだ尾を引いており、自己判断で使用をやめてしまう患者もいる。しかしそれはかえって症状をこじらせる原因だ。“症状が繰り返されることを我慢する”のではなく、メリハリの利いた使い方で、できるだけ症状のない状態を維持する。これによって、アトピー性皮膚炎のつらさから解放される可能性がぐんと高くなるのだ。

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