その結果、社会的に孤立している高齢者は、犬を飼っている(または飼ったことがある)人に比べて、犬を飼ったことのない人で、心理的な健康状態が悪いと報告する可能性が1・22倍、統計的にも有意に増加しました。他方で猫の飼育と心理的な健康状態については関連性を認めませんでした。
犬を飼うことができる人は、そうでない人に比べて、もともと心身状態が良い傾向にあったのかもしれません。そのため、犬を飼うことが直接的に高齢者の心身状態を改善していると結論することは難しいように思います。とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大により、今まで以上に社会的な接触を避けることが求められる中で、犬と触れ合うことは人の生活を豊かにする側面も強いことでしょう。
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