男性不妊症のすべて

自転車に長時間乗ることが不妊症の原因になるって本当?

街乗り程度なら大丈夫(C)PIXTA

 アメリカンフットボールは頭部外傷の可能性が高いスポーツです。この論文では、アメフトによるケガによって脳の下垂体から精巣での精子形成のほか、テストステロン産生に必要なホルモンであるゴナドトロピンの分泌低下や勃起障害(ED)の可能性が高いと報告されています。

■サッカーとバスケは精索静脈瘤の有病率が高い

 サッカー、バスケットボール、ハンドボールは精索静脈瘤の有病率と重症度の上昇に関連していました。逆に水球選手は精索静脈瘤の有病率と重症度が低いことが分かりました。このことは、精巣の温度が関係していると思われます。水球競技は水の中でプレーするので精巣の温度が高くならないのでしょう。しかし水球は水中の格闘技と呼ばれ、精巣を蹴られたりするリスクは高いので、精巣外傷には気を付けたいところです。

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小林秀行

小林秀行

1975年、東京都生まれ。2000年東邦大学医学部を卒業。卒後研修終了後に東北大学大学院医学系研究科病理病態学講座免疫学分野に進学。医学博士を取得。ペンシルバニア大学獣医学部にてリサーチアソシエイト。その後、東邦大学医学部泌尿器科学講座に復帰。2014年より現職。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は男性不妊症。noteにてブログ「Blue-男性不妊症について」を配信中。

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