この技術のベースにあるのが、遺伝子の働きにかかわるマイクロRNAです。マイクロRNAはがん細胞から分泌され、増殖や転移などにかかわっています。それぞれの臓器にできるがんによって、マイクロRNAの特徴が異なるため、特定のマイクロRNAの組み合わせの違いから、がん患者とそうでない人を高い確率で見分けられるのです。
国立がん研究センターのグループは、同センターに保管されていた5万3000人の血液を使って分析。その結果、日本人に多い13種類のがんについてマイクロRNAの変動パターンが分かっています。
具体的には胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、肝臓がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫です。
マイクロRNAを用いたがんの早期発見は、今年度中にも一部の人間ドックや健康診断に組み込まれる見込み。料金は、1回2万円前後とみられます。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵