「やめるべき」という立場は、GLP-1受容体作動薬を製造・販売している製薬企業4社も同様で、「本来の効果が見込めないだけでなく思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されます」と強調しています。
日本糖尿病学会も製薬企業もダイエット目的の使用に反対なのに、どうしてGLP-1受容体作動薬をダイエット目的として使用しているクリニックがあるのだろう? そう疑問に思った方もいるかもしれません。
■食欲を抑え、体重減少を期待できる薬だが…
それについて述べる前に、GLP-1受容体作動薬がどういう薬なのか、説明しましょう。
以前にも紹介しましたが、もともとは私たちの体にあるホルモン「GLP-1」を体外から補う薬です。
GLP-1は消化管ホルモンの一つで、膵臓にあるGLP-1の鍵穴(受容体)と結合してインスリンを分泌し、血糖値を下げる働きをします。この薬の大きな特徴が、食欲を抑え、体重減少を期待できる点です。
進化する糖尿病治療法