新型コロナ 重症化を防ぐ最新知識

関東の7割はデルタ株へ コロナ第5波までの死亡リスクはどう推移したか

新規陽性者数が2万人を突破(C)共同通信社

 要因のひとつに挙げられるのがインドで初めて特定された変異株である「デルタ株」の存在だ。強い感染力を持つ。従来の新型コロナウイルスの感染者は1人で平均1.4~3.5人くらいに感染させてきたが、デルタ型は平均5~9人に感染させるという。これは空気感染させる水ぼうそうと同じ感染力とされる。

 デルタ株はインドでは7月4日時点で91%を占め、欧州では6月21日時点で23カ国で検出された。欧州の主要12カ国の検出割合は8月初旬に80%、8月下旬に90%になると推測されている。

 日本でも7月27日時点の分析で、関東75%、関西32%がデルタ株だったことがわかっている。

 気になるのは、その病原性だ。

 シンガポールの研究ではデルタ株はそうでない変異株に比べて酸素利用、ICU入室、死亡リスクが4.9倍とするものがある。入院リスクは2.2倍(カナダ)や2.61倍(英国)というデータもある。

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