コロナ「第5波」医療現場の最前線「効果的な治療が確立されるも入院できず」

新規陽性者は増える一方(C)日刊ゲンダイ

「さらに、抗原定量検査でウイルス量が50(ピコグラム/ミリリットル)程度に減った段階で、免疫反応や炎症を抑制するためステロイド薬の『デカドロン』(デキサメタゾン)を投与します。ステロイド薬は、体内のウイルス量が多い初期に投与するとウイルスが減るスピードが落ちるので、寛解するまでに時間がかかってしまう。ですから、ウイルス量がある程度まで少なくなった段階で使うことが重要です」

■ワクチン接種が身を守る大前提

 こうした効果的な治療が確立したことで、入院患者のほぼ全員が入院から7日ほどで後遺症なく退院して自宅に帰れるようになった。

「しかし、現在は症状がかなり悪化した状態でなければ入院できず、治療の開始も遅れてしまう。そのため体内からウイルスが消失しても、全身状態が回復して通常の生活に戻れるようになるまで時間がかかります。入院期間も10日ほどまで延びている状況です」

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