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「失踪白人女性症候群」は米国社会の病根をあぶり出す

ギャビー・ペティートさんを偲ぶ人たち(C)ロイター

 亡くなったギャビーさんの家族の気持ちは察するに余りありますが、あらゆる失踪事件は人種にかかわらず同等に扱われるべきというのも当然の指摘です。

 しかし、ここにはもっと根深い問題が隠されています。アメリカ人には「白人女性は常に犠牲者である」というステレオタイプが刷り込まれているため、多くの黒人男性が無実の罪に問われたり、暴徒化した白人に殺される出来事が繰り返し起きてきました。

 今回のランドリーは白人で事件自体に人種は関わっていないようです。しかし人種偏見がアメリカ人の目を曇らせる病根と考えれば、「失踪白人女性症候群」も立派な病と言えるかもしれません。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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