独白 愉快な“病人”たち

もし悪性だったら…モデルの理絵さん 子宮筋腫での全摘を振り返る

理絵さん(提供写真)

 1カ月は完全に仕事をお休みし、3カ月目ぐらいから少しずつ始めました。体調の波もありましたし、なにしろお腹に9センチの傷があるので、ウエストにゴムやベルトが当たると痛いのです。それがモデルとしては厳しくて、お仕事の完全復帰までは半年ほどかかったと思います。

 同室の患者さんの中には、まだ若く、子供が小さいのに抗がん剤治療をしている方がいました。でも、彼女はいつでも笑顔で誰にでも明るく振る舞っていたのです。

 ある日、看護師さんがそっと彼女のベッドまでやって来て、「泣いていいのよ」と静かに話している声が聞こえました。そのときカーテンを隔てて初めて彼女が声を上げて泣いたのを聞き、思わずもらい泣きしてしまいました。鼻水が出てきてすすりたかったのですが、その音を聞かれたら「え? あの人、泣いてる?」と知られて気まずいと思い、鼻にティッシュを詰め込んで耐えました。同時に、「めげてちゃいけないな」と思えました。

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