時間栄養学と旬の食材

カリンは疲労回復には「夕食」、肌を守るには「朝食」で

生では硬く味も渋いのでカリン酒やジャム、はちみつ漬けで

 その他にも、ビタミンCやタンニン、クエン酸や食物繊維などの成分を多く含み、肌を守る作用、疲労回復、整腸作用などさまざまな健康効果が期待できます。特に食物繊維はジャムなどにすることでより多く取ることができます。カリンは不溶性の食物繊維が多いので便秘の予防や改善に効果があるほか、体内の有害な物質を吸着し体外に排出するのを助ける働きもあるといわれています。

 さまざまな健康効果が高いカリンは、芳香剤やアロマで楽しまれるほど良い香りがするのも特徴です。しかし、実は生で食べることができません。生で食べようとすると歯が折れそうなほど硬く、味も渋いのです。そのため、カリンは加熱したり酒に漬けたりして、加工した後の食品がほとんどなのです。

 カリンに含まれるポリフェノールをいつ食べたらよいかは、まだわかっていないことですが、疲労回復を狙いたいときは夜に、紫外線から皮膚を守りたいときには朝というように、目的に応じた食べ方がいいでしょう。旬の今、道の駅などでカリンを見かける機会があったら購入して、カリン酒やジャム、はちみつ漬けにしてみてはいかがでしょうか。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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