Dr.中川 がんサバイバーの知恵

保険適用から1年半の「乳がん予防切除」 卵巣がんにも要注意

アンジェリーナ・ジョリー(C)日刊ゲンダイ

 予防切除が特に効果的なのは、卵巣がんです。卵巣がんは進行が早く、早期発見が難しい。半年に1回、エコー検査と腫瘍マーカー検査を受けていても、進行がんで見つかることが珍しくありません。HBOCと診断された場合、妊娠を希望される方は、出産を終えて40歳前後に卵巣などの切除をするか検討することになります。

 このタイプの男性も男性乳がんになりやすいほか、前立腺がんや、すい臓がんになりやすいことが分かっています。男性も無縁ではありません。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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