独白 愉快な“病人”たち

整体が回復のきっかけに…作家の今野敏さんパニック障害を語る

今野敏さん(C)日刊ゲンダイ

 そのうち喉が詰まるような感じがあったので耳鼻咽喉科に行きました。もちろん異常はありません。1年ぐらい通いましたが、らちが明かないので、いろいろ本を読んで調べてみました。それで、心療内科という専門科があることを知り、さっそく行って1年ぐらい通いました。

 でも、パニック障害になった人にとって心療内科は物足りないのです。心療内科はあくまで内科。パニック障害の人は神経科や精神科へ行ったほうがいいと思います。それに気づいて神経科クリニックへ行くと、精神安定剤が処方され、飲んだらグッと楽になりました。

 まず、よく眠れるようになりました。それまでは眠りが浅くて、ひどいときは30分とか1時間ごとに起きてしまっていましたから、眠れるようになったことが一番ありがたかったです。

 もっといえば、映画館や劇場といった「ある一定時間そこにいなきゃいけない状況」がつらくて嫌いでした。でも、安定剤があれば耐えられるようになったのです。徐々に電車にも乗れるようになり、旅行もできる普通の生活を手に入れました。

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