独白 愉快な“病人”たち

整体が回復のきっかけに…作家の今野敏さんパニック障害を語る

今野敏さん(C)日刊ゲンダイ

 結局、神経科クリニックには2~3年通いました。安定剤がないと不安だった時期も今は乗り越え、最近は眠れないときに飲む程度になっています。

■「整体」が回復のきっかけ

 回復のきっかけになったのは安定剤だけじゃなく、整体を始めたのが非常に大きかったと思います。若い頃から通っていた空手道場にパニック障害で2~3年行けなかったのですが、少し良くなった時期に、整体術を空手の師匠から3年間、毎週習いました。生徒同士でペアを組んで、お互いに整体をやり合ううちに体がほぐれて、気持ちが急に楽になる感覚があったのです。

 パニック障害の人は、無意識に体がいつも緊張しているんだと思うのです。バリバリに筋肉が硬直するので呼吸が浅くなって、息苦しいような気がするし、身体的にもいろいろな障害が出る。だから精神はとりあえず放っておいて、体をほぐすことを考えてもいいと思います。筋肉がほぐれると気分が変わり、身体的にも好循環が生まれます。パニック障害の人は試してみる価値はあると思いますよ。

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