独白 愉快な“病人”たち

整体が回復のきっかけに…作家の今野敏さんパニック障害を語る

今野敏さん(C)日刊ゲンダイ

■病気というよりもともとの「タイプ」

 仕事の面でパニック障害が支障になったかと言えば、それは皆無です。内省的になるので、むしろ作家にとって神経症は悪くない。普通の人が気づかない自分の心の動きに気づけるので、物書きにとっては必要な資質とも言えます。パニック障害のような神経症の人は、作家になればいいんじゃないかな(笑い)。

 パニック障害や神経症は病気というより、もともとの「タイプ」だと思います。それがある時期、いろいろなことが物理的に重なることによって急に表面化するのではないでしょうか。私の場合もきっかけはわかりません。これといった精神的ダメージがあったわけではなく始まりました。そして10年ぐらいは不自由な生活をしました。「一生このままかもしれない」と思っていた時期もありました。でも、「どんなことでも良くなるんだな」と今改めて思います。

4 / 5 ページ

関連記事