その上で、被験者の脳をスキャンし、血流の反応を調べた結果、ポジティブ思考だと回答した人の血流の反応は、ネガティブ思考と回答した人に比べて、かなり少なかったそうです。つまり、ネガティブ思考の人はあれこれと考え、脳の回転数が上がっているような状況に陥っていることが示されたのです。
そこで研究者たちは、血流の反応の抑制が望ましいわけですから、ネガティブ思考の被験者たちに、「もっと前向きに考えて」と指示を出しました。ところが、その指示を受けて、さらに血流の反応は激しくなったのです。
なぜ、こんなことが起きたのか? じつは悲観的な状況や感情を無理に肯定しようとした結果、脳内で混乱が生じ、脳がオーバーヒートのような状態になってしまったというのです。そもそも人間は、ポジティブな情報とネガティブな情報がある場合、後者を重要視してしまう傾向があります。「自分を守る」という防衛本能が働くため、センシティブになりがち。そういう状況下にもかかわらず、「頑張って」「前向きに考えよう」などと励ましても、悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。
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