血圧は低いほうが脳卒中・心筋梗塞のリスクを抑えられる アジア人対象の大規模比較試験で報告

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 強化治療群では、心不全が73%、脳卒中、心筋梗塞などの急性の冠動脈疾患が33%抑制されていた。

 米国のガイドラインでは17年、SPRINT研究などの結果から、高血圧の診断基準をこれまでの140/90㎜Hgよりも低い130/80㎜Hgとし、血圧がこの数値に達した時点で治療を開始すべきと定義している。

 一方、日本では、高血圧治療ガイドライン2019が出た時点ではアジア人のデータであるSTEP試験が発表されておらず、高齢者のデータが不十分ということから、一般的な治療としては、75歳未満は診察室血圧130/80㎜Hg未満を、75歳以上は140/90㎜Hg未満を目指すこととなっている。ただし、STEP研究の対象者は60~80歳(平均年齢66歳)で、前述の通り、高齢者でも積極的な降圧治療が効果的との結果だ。

「個人的な見解ですが、年齢にかかわらず、積極的な降圧は有効。自力で外来通院できるような人なら、75歳以上でも降圧の利益と不利益のバランスを考えながら、可能ならしっかり血圧を下げた方がいいと考えています」

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