血圧は低いほうが脳卒中・心筋梗塞のリスクを抑えられる アジア人対象の大規模比較試験で報告

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「心筋梗塞や脳卒中といった心血管病死の突出したリスク因子であり、認知症、網膜症、心不全、大動脈瘤、動脈解離、腎臓病、人工透析のリスクを高めます」

■アジア人対象の大規模ランダム化比較試験でも報告

 15年、世界の高血圧治療を一変させる試験結果が発表された。米国が行ったSPRINT試験で、年齢を問わず積極的に血圧を下げることが心血管病を抑制するという内容だった。ただし、これは米国の人が対象。アジア人において積極的な血圧低下はどうかという課題があったが、今年、世界的な医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに、中国のSTEP試験の結果が報告された。米国と同規模の大規模ランダム化比較試験で、アジア人が対象。その内容は、SPRINT試験と同様、積極的な降圧治療が心血管病を抑制するというものだった。

「アジア人においても、降圧目標値130~150㎜Hgの『標準治療群』と、より厳格な降圧目標値110~130㎜Hgの『強化治療群』では、後者の強化治療群の方が血圧がより低下。脳卒中、心筋梗塞、心不全、心房細動、心血管死などの発生率も低いとの結果が出ました」

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