薬を飲んでいるのに血圧が下がらない…それなら「薬の選び方」に問題あり

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 伊藤教授によれば、高血圧は2つのタイプに分けられるという。

「血管収縮タイプと血液増加タイプです。どちらに属するかで、合う作用機序の薬が異なります」

 高血圧に関係するホルモンに、レニン・アンジオテンシン系とナトリウム利尿ペプチド系がある。前者が血管収縮ホルモンで、後者が血管拡張ホルモン。この2つは拮抗関係にあり、ちょうどよいバランスを保っていればいいが、それが崩れると血圧が高くなる。

 たとえばストレスなどで交感神経が過敏になると、レニン・アンジオテンシン系の分泌が活発になり、血管が過度に収縮し血圧が上がる。

 体内の水分や塩分が足りないとレニン・アンジオテンシン系が活性化して血管が収縮し、塩分の吸収が促され、血圧が上がる。血液中の塩分が多いと、塩分濃度を下げるために血液量が増え、血圧が上がる。この時、レニン・アンジオテンシン系の分泌が抑制され、代わりにナトリウム利尿ペプチド系の分泌が活発化し、余分な塩分を排泄しようとする。

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