■血液検査で確認
「血管の収縮、血液量の増加は、どちらも血圧上昇の原因になります。血管収縮タイプの高血圧か、血液増加タイプの高血圧か。これは、検査で分類できます」
血液検査でレニンという酵素の数値が高ければ血管収縮タイプで、ナトリウム利尿ペプチド系の一種であるANPの数値が高ければ血液増加タイプになる。
「血管収縮タイプには、レニン・アンジオテンシン系を阻害する薬(RAS阻害薬)やβ遮断薬、カルシウム拮抗剤といった作用機序の降圧薬が効きますし、血液増加タイプには利尿薬などが効きます。言い換えれば、血管収縮タイプには利尿薬はほとんど効きませんし、血液増加タイプにはRAS阻害薬の効き目は良くない」
今年9月には、レニン・アンジオテンシン系の血管収縮、ナトリウム利尿ペプチド系の血管拡張双方に作用する新薬「エンレスト」が高血圧の治療薬として承認。新たな治療の選択肢ができた。