がんを見ながら放射線治療できる「メリディアン」は何が凄いのか?

被ばく量も少ない(提供写真)

「MRIは、CTと異なり被ばくがないうえ、画像上で臓器の境界が分かりやすいメリットがあります。そのため放射線治療では病巣位置の確認などに用いられています。メリディアンはこうした利点のあるMR検査機と放射線治療機が一体となったことで、放射線の照射中も、腫瘍と周辺組織、リスク臓器をリアルタイムに観察しながら治療することが可能なのです」

 人間は静かに横たわっていても呼吸もするし脈も打つ。そのため肺や腸、胃などの内臓は常に動いている。中には呼吸などで3センチ以上、動くがんもある。これまでの放射線治療では直前にCTで位置を確認して照射しているが、メリディアンは照射中にMRIで位置を確認できるため正確に照射できるという。

「メリディアンは放射線照射中にリアルタイムで照射部位および、その周辺臓器の解剖学的情報を得ることができます。その情報をもとに腫瘍の動きに合わせて照射したり、照射を止めたりできるため、より正確な放射線治療が可能になるのです」

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