認知症を予防する補聴器のすべて

英・伊・仏・中と比べて日本の「満足度」が極めて低い理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 以前の当コラムで一般社団法人日本補聴器工業会という業界団体の市場調査に基づいて、補聴器をつけた多くの方の満足度が低いことを取り上げました。それについてさらに海外との比較を交えてその原因を別の側面から考えてみたいと思います。

 まずは各国の補聴器工業会が実施する調査を見ていきたいと思います。これは3年ごとに調査する現代における難聴と補聴器の使用に関する最大の比較多国間研究データといえるものです。

 まず自己申告難聴者の数に対する「普及率」を見た場合、日本は14.4%、イギリスは47.6%、イタリアは29.5%、フランスは41.0%、スペインは36.5%、中国は10.3%(スペイン、中国は2020年、ほかは18年)となっており、各国ともそれほどまだ普及していないことがわかります。

 ですが、これが補聴器に対する全体的な満足度となると、日本は38%、イギリスは74%、イタリアは81%、フランスは82%、スペインは78%、中国は92%と改めて日本だけが突出して満足度が低いことがわかります。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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