認知症を予防する補聴器のすべて

気が付いたら音楽がない生活…それがあるときを境に一変した

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ミュージックモードにすると高音が割れることなくきれいに聴こえ、臨場感が増しました」

 これは、当社のスタッフがクラシックコンサートに行き、新発表された補聴器のプログラムで音楽を聴いたときの感想です。

 補聴器は「言葉」を聞くためのものです。小さい音は大きく聞き取りやすくし、騒音などの大きい音はデジタル処理で抑制して言葉を聞き取りやすくします。

 一方、音楽はさまざまに重なり合う音の抑揚を楽しむもの。言葉の聞き取りとは真逆の処理を求められます。近年、補聴器メーカーは音楽を楽しむための機械の開発に力を入れています。しかも後からその機能を追加してアップデートでき、補聴器自体をバージョンアップさせられるのですから驚きです。

 当社のお客さんで、この補聴器を購入された方がいました。その方は元レコード会社に勤務されていた73歳の男性で、若い頃はたくさんの音楽を聴いていたのですが、いつしか難聴になり、知らず知らずのうちに音楽から遠ざかっていたといいます。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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