Dr.中川 がんサバイバーの知恵

京大が2年後実用化へ 打率10割!治療効果予測システムの実力

ベストな治療法が見つかる

 最適な治療にたどり着くまでの、経済的かつ肉体的な負担を減らす意味でも、今回のシステム開発は大きな意義があるでしょう。

 グループによれば、細胞の採取から予測判定まで1カ月を要すとのことですが、これまでの負担やタイムラグとは比べものになりません。

 それに早期がんの患者が手術時の検体を提出して治療効果予測システムを頼んでおけば、再発や転移などで抗がん剤を使う時はすぐにベストの薬剤を使うことができます。2年後の実用化が楽しみです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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