がんと向き合い生きていく

がん検査「CT」「MRI」「PET」はそれぞれわかることが違う

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

「がんの検査で、CT、MRI、PETはどう違うのですか?」

 先日、患者さんからこんな質問がありました。今回はこれらの検査について簡単に説明します。

 CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像)、PET(ポジトロン断層撮影)検査は、がんだけではなく、体の病変を画像で診断するものです。

 CT検査は体の断面を撮影し、複数の写真をコンピューターで処理して画像にするものです。新型コロナ感染症においては、肺炎の有無を診断するのに有用です。がん診断では最も基本的な画像診断です。体を横断した像で、がんの存在、転移の有無、ステージの確定、再発の有無、治療効果判定において不可欠な検査といえます。

 CT画像は、腫瘤の存在や大きさなど、客観的な画像が得られます。軟部組織など正常臓器との区別には造影剤の投与が必要で、造影剤投与による反復撮影(ダイナミックCT)、つまり造影前・造影中(動脈相、門脈相など)・造影後の画像により、血行動態から病変の質的診断に役立ちます。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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