Dr.中川 がんサバイバーの知恵

佐野史郎さんがTVで公表 多発性骨髄腫は幹細胞移植の成否がカギ

佐野史郎(C)日刊ゲンダイ

 がん化した形質細胞が一定量まで増えないと、症状は見られません。無症候性は一般に経過観察で、治療は症候性になってから。治療は、ステロイド剤や分子標的薬、従来の抗がん剤などで、徹底的にがんを叩くのが重要です。

 この治療はとても効果が高い半面、正常な血液細胞へのダメージも大きい。そこで、事前に採取しておいた自分の造血幹細胞を移植できるかどうかがカギになります。その移植の年齢が一般には65歳以下とされます。66歳の佐野さんも、この移植で現場復帰を目指すそうです。

3 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事