独白 愉快な“病人”たち

腎臓がんで手術のBOROさん「小さなことに幸せを見出せるようになった」

BOROさん(提供写真)

 ただ、6ミリ程度の大きさだったので経過観察となり、16ミリほどになった2020年秋、大学病院で本格的な検査を受けて、がんが確定したという経緯です。

 手術はダヴィンチというロボットを使った傷口の小さい手術でした。技術的には全摘よりも難しい部分摘出だったので、6時間ぐらいかかったようです。

 ひとつ失敗したのは集中治療室から病室に帰るときの手段を「歩いて帰る」と言ってしまったことです。手術前に「ベッドのまま」か「車イス」か「歩く」かを聞かれるんですよね。医者から「歩いたほうが治りが早いので、最近はみなさん歩いて帰ります」とか聞かされていたので「歩いて帰ります」と答えてしまったんです(笑い)。

 全身麻酔だったので頭がフラフラしてなかなか立てなくて、30分置きぐらいに「立ちましょう」と言われてはダメで横になるのを繰り返しました。

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