独白 愉快な“病人”たち

腎臓がんで手術のBOROさん「小さなことに幸せを見出せるようになった」

BOROさん(提供写真)

 ベッドのままを選択していたらものの1~2分で移動できたのに、立ち上がるまでに4時間もかかってしまいました。

 面白かったのは、管だらけのままついに立ち上がったとき、私が周りの看護師さんたちに「これでやっと病人らしくなりました」と言ったら、年配の看護師さんから「病気は昨日で治ったの。今日からはケガ人です」と返ってきて、その場にドッと笑いが起こったこと。その雰囲気に背中を押されてなんとか病室まで歩けました。

 今回の入院の経験があったからこそ、小さなことに幸せを見いだせる自分に気づいたのです。

 虹の一件から何を見ても素晴らしく思え、青空にぽっかり浮かぶ雲がパンダになったりゾウになったりするのも楽しい。ふと「ここには道化師がいるみたいだ」と空想していると、仲の良かった今は亡きミュージシャンたちが思い出されて、彼らも音楽でみんなを楽しませる道化師だったし、自分もそうだし、ここで笑わせてくれた看護師さんたちもそう。自分の周りには道化師がたくさんいて楽しませてくれていることを実感しました。

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