よくあるのが、「HPVワクチンを打たなくても、検診で早期発見できればいいのでは?」という声だ。HPVワクチンは子宮頚がんの発生自体を抑える「1次予防」で、検診は、がんを早く見つける「2次予防」。そもそも目的が違う。しかも、子宮頚がんはたとえ早期発見できても術後、不正出血や妊娠時の流産、早産のリスクを高める。進行がんでは予後は悪く、治療の後遺症もある。HPVワクチンで子宮頚がんを8~9割減少させられ、検診も加えればほぼ予防できることが世界中で実証されており、その恩恵を受けない手はない。
■男性にもがん予防効果
冒頭で、「HPVワクチンは男性(男子)も接種を検討すべき価値がある」と述べた。現在、日本で男性への接種が薬事承認されているのは、肛門がんとコンジローマの予防のための「4価」だけで、定期接種ではなく、任意接種(自己負担)となる。