進化する糖尿病治療法

薬や治療に対する質問は大歓迎 事前にメモしておけばスムーズ

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 薬に関しては、「薬の数が多くて飲み忘れてしまう」「もっと使いやすい薬はないのか」「新薬が出たと聞いたけど、自分の場合、どうなのか」など、患者さんの意見、大歓迎です。

 専門医の間でよく言われるのですが、糖尿病の治療薬は10年前と現在では浦島太郎ほど状況が違う。今は血糖コントロールだけが目的ではなく、腎臓や心臓の数値のコントロールも視野に入れて、薬を選んでいく時代です。

 そして、糖尿病に関連する高血圧や脂質異常症に関する薬は、どんどん新しいものが出ています。高血圧や動脈硬化は治療のガイドラインが何年かに1回の改定ですが、糖尿病は、アメリカも日本も毎年改定版が出ています。それほどめまぐるしく薬の新しい作用が研究で解明され、治療方針が更新されているのです。必ずしも新薬が良いというわけではないですが、コストパフォーマンスも考えて処方されるべきでしょう。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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