中高年を自殺に追いやる3つの要因と解決法 企業危機管理のプロが教える

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〈誰が誰の敵なのですか 私たちはみな不死ではないのに 生きていてほしいんです〉

 詩人、谷川俊太郎が露のようにはかない命の尊さを思い、「生きよ」と訴えている作品である。

 この「生きよ」に逆らうように、厚生労働省(自殺対策推進室)は今月、2021年の自殺者数を2万1007人と発表した。毎月2000人弱、1日に60人近い人が自ら命を絶っている。孤独、孤立、生きることに疲れた人々が、自死を選ぶ。死の淵でさまようこうした人々の心の叫びに傾聴しながら、生きる意欲を吹き込みたいとする第三者機関も多い。

 半世紀の歴史を持つ「日本いのちの電話連盟」(通称「いのちの電話」)は、北海道から沖縄まで県単位で全国に50カ所のセンターを開設し、ボランティア市民約6000人を数える相談員が24時間、電話口で待機する。自死にストップをかけるエキスパートたちである。同事務局は、「毎年、60万件を超える相談件数があり、近年はネットによる相談も増えました」と言う。このほか自殺防止の窓口グループとして、「東京メンタルヘルス・スクエア」「よりそいホットライン」「自死・自殺に向き合う僧侶の会」などもある。

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