中高年を自殺に追いやる3つの要因と解決法 企業危機管理のプロが教える

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 働き盛りの中高年は、多忙なビジネスで勤め先や、あるいは子育てに気を配る家庭内でも、意見の相違で身内とぶつかることがよくある。頭の中では対立しても、柔軟な対応をしていたら傷口も小さくて済むことはわかっている。

「(しかし、中高年は)それができない年齢なのです。結果、孤立し、孤独化が始まり、死と向き合うようなことを考えてしまう」(田中氏)

 2つ目の「粘り強さの欠如」とは、加齢に合わせて体力が次第に衰えていることもあって、何もかも“面倒くさく”なってしまう。日に3度の食事さえも面倒になるケースも少なくない。元気に生きようとする意欲が色あせてくる年代なのだ。

 3つ目の「強迫観念」とは、周囲の出来事を恐れることで何かと不安を感じ、“もうダメだ”と勝手に思い込んでしまうことだという。いわゆるマイナス思考である。

「極端な強迫観念の例はこうです。年間1000億円の収入を順調にはじき出している経営者は、翌年が1100億円の収入でないと満足しません。もしも収入が1000億円を切ったら経営は大丈夫かと強迫観念に落ち込んでしまうのです」

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