健康マーカーを知る

血糖値(上)過去3年分のHbA1C数値が上昇傾向なら要注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■破壊されたβ細胞は元に戻らない

 糖尿病が他の病気と違うのは、薬で血糖値を正常な範囲内に戻すことはできるが、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞の働きそのものを元に戻すのは困難なところ。予備群から糖尿病に進んでしまうと、一生、糖尿病と闘うことになる。つまり、治療し続けなければ、再び高血糖を引き起こし、合併症を発症するリスクが生じるのだ。

「多くの人は健診の空腹時血糖値とHbA1cの値が基準値内に収まっていれば、『ああ、大丈夫だ。よかった』と、安心してしまって数値をじっくりと検討することはありません。しかし、しっかりと数値を確認してほしいのは、むしろ基準値に収まっている人です。昨年、一昨年と過去3年分くらいの結果と照らし合わせて、ジワジワと数値が上昇していれば危険が迫っていると考えなければいけません」

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