五十肩を徹底解剖する

腱板断裂が疑わしい時はMRIを 診断がついたら断裂の程度を調べる

写真はイメージ

 MRIの有用性と普及から、近年では真ん丸のトンネル内に入る閉塞感からくるストレスを減らすため、「C」の字形に開口したMRIも登場しています。また、MRIの撮影可能な医療機器も広まってきています。

 MRIは時間をかけて1カ所を精密に調べる検査のため、全身を一遍に検査できません。左右の肩を同時に調べることも不可能で、片方だけになります。

 MRI以外では、超音波検査でも腱板断裂の診断が行えます。超音波検査の利点は、外来診察の場で手軽に行えることです。検査に向かない患者さんがいないことも強みです。

 費用は保険などにもよりますが、MRIがおおよそ5000円、超音波検査が1000円ほどです。腱板断裂はMRIや超音波検査でほぼ100%診断が可能です。

 断裂が判明したあと、次に調べることは断裂の程度です。腱板は4本の筋肉の総称ですので、4本中何本が切れているのか。少し切れただけか、大きく切れてしまっているのか。切れて使えなくなった筋肉がやせ細ってないか。断裂のひどさによって治療方法と見通しが変わってくるため、これらの見極めが非常に重要になります。

2 / 2 ページ

安井謙二

安井謙二

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

関連記事