東洋医学を正しく知って不調改善

お灸でどんな不調が改善できるのか? 冷えに関係する症状に強い

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 内くるぶしの指4本分上にある「三陰交」というツボは、婦人科疾患全般に効果があり足首を温めることから冷え症にも効果を発揮します。

 そのほかにも「痔」や「ものもらい」といったものまで、それぞれに応じた特定のツボにお灸をすえ、治療ができます。

 時にこのツボは1つだけに限らず、複数のツボを組み合わせてお灸をすえ、効果を発揮することもあります。胃の痛みやむかつきには、「胃の六つ灸」といって、背中にある6カ所のツボにお灸をすえます。小児疾患(特に疳の虫)には、男児は左の肝兪と右の脾兪、女児は右の肝兪と左の脾兪と、2カ所のツボに行う「小児すじかいの灸」というものもあります。

 中風(脳血管障害の後遺症である半身不随、片麻痺、言語障害、手足の痺れや麻痺)の予防や治療には、中風七穴と呼ばれる7つのツボのうち、2種類の組み合わせ百会、曲鬢、肩井、曲池、風市、足三里、懸鍾と百会、風池、肩井、曲池、大椎、間使、足三里といったものまであります。

 このようにあらゆる病気に対処できるのがお灸です。気になる方はお近くの鍼灸院で相談してみてください。

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中村幹佑

中村幹佑

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。

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