東洋医学を正しく知って不調改善

世界における東洋医学の評価は? 欧米で注目度が高まっている

天野陽介氏(C)日刊ゲンダイ

 痛み止めに気軽に鎮痛薬を服用することで、薬物中毒が多発し、年間数万人の死者が出るほどの深刻な社会問題となっており、薬物に頼らないで「痛み」を緩和する手段として、鍼治療の研究と導入がにわかに進んでいるというわけなのです。

 とりわけ痛みと脳に関する研究が進んでおり、その中で解明されつつあるのが、「慢性腰痛の患者は痛みを感じる脳の機能により、痛みの感じ方に変化がある」というものです。鍼治療で脳に働きかけることで、その痛みを改善できるとされています。

 これまでベールに包まれていた「東洋医学」の治療メカニズムが、徐々に科学的にも効果が裏付けられた治療法として、解明され、今後も世界中で認められていくことでしょう。

2 / 2 ページ

天野陽介

天野陽介

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。

関連記事