感染報告が相次ぐ「サル痘」は何が怖いのか? 動物ウイルス学者に聞いた

サル痘ウイルス(CDC提供・共同)

 サル痘は先述した通り、撲滅された天然痘に似た症状があり、多くは軽症でありながらも重症化して亡くなることもある。そのため以前からバイオテロリズムに使用されることが懸念されてきた。

 ただ、今回、アフリカ以外で報告された患者は多くが男性だ。20~40代が多く、ゲイやバイセクシュアルの人が多いことから、感染は性交渉による接触感染で起きたのではないか、という見方もある。

「世界保健機関(WHО)が『これまでの情報から、症状のある人との濃厚接触でヒトからヒトへの感染が起きていることが示されている』と注意を促していることが気になります。たまたま今回、英国からの報告を受けて医療体制がしっかりしている欧米で発見されているだけで、すでに多くの国で感染者が広がっているのかもしれません」

 2020年3月11日にWHOが新型コロナウイルス感染症を「パンデミック」と宣言して3年目。マイクロソフト社の共同設立者であるビル・ゲイツ氏が2月のミュンヘン安全保障会議で語った「われわれは再びパンデミックを体験することになる」との予言は、現実のものになるのだろうか?

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