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米国ではオミクロン株の猛スピード変異にワクチンが追いつかない

マンハッタンが見渡せる新しいビル「ワンヴァンダービルトタワー」の展望台に訪れた人たち(C)ロイター

 それ以上に気になるのは、次にアメリカでの流行が予測されるオミクロンBA4とBA5です。南アフリカでは、人口の98%がワクチン接種または感染による抗体を持っているにも関わらず、この2つが大流行している、つまりほぼすべてがブレイクスルー感染ということになります。

 こうなると問題は、いかにして最新の変異種に合わせたワクチンを作って打つのかということになってきます。製薬会社は変異に合わせて迅速に中身を変えられるとしてはいますが、それでも臨床実験や製造工程に時間がかかります。それが変異のスピードに追いつかないことが懸念されているのです。

 それでも朗報なのは、初期に大流行したオリジナル株対応のワクチンよりは、オミクロンに合わせて作ったワクチンのほうがずっと効果があることです。つまりできる限りアップデートされたワクチンを打ち続けるしか今のところ対策はありません。 

 変異とワクチンのスピード競争がいつまで続くかもわからない中、人々は今日も満席の飛行機で旅行に出かけています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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