感染症別 正しいクスリの使い方

【クラミジア感染症】複合感染が多く一度の治療で済む抗菌薬の選択が重要

まったく症状の出ない患者も多い(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 性交渉を頻繁に行う、複数のパートナーと性交渉を行う、パートナーが代わったという場合、1年に1回程度クラミジアの検査を行うとよいでしょう。自治体によっては無料で検査を行うことも可能です。クラミジア感染症と診断されたときは、過去にさかのぼって60日以内に性交渉したパートナーにも検査を受けてもらってください。

 治療には抗菌薬が用いられます。非定型肺炎についてお話しした際に少し触れたように、クラミジアにはペニシリン系やセフェム系抗菌薬が無効なので注意が必要です。

 また、性器クラミジア感染症患者の10%は淋菌感染症にも複合感染しているケースが知られています。性感染症は複数の感染症に同時にかかってしまうことも多いのです。これらも踏まえ、可能な限り一度の治療で済むよう抗菌薬を選択することになります。

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荒川隆之

荒川隆之

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

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