手術は日帰りでここまでできる

鼠径ヘルニアは放置するとヘルニア嵌頓や腸閉塞のリスク高める

写真はイメージ

 典型的な症状は膨らみのみですが、違和感や痛みを伴う人もいます。軽く押すことで飛び出た腸は一時的に元にもどりますが、再びお腹に力を入れると膨らみ、これを繰り返すことになります。

 そしてその膨らみを放置すると、次第に穴が大きくなっていき、病気として進行します。また、時として、飛び出した内臓がその穴にはまり込んで元に戻らなくなる、ヘルニア嵌頓や腸閉塞を起こす可能性があります。さらにそれが進むと、腸の血流が途絶えて腸の壊死といった場合も。そうなると激しい腹痛や嘔吐、発熱などの症状があらわれます。

 当院ではそんな鼠径ヘルニアの手術に特化した設備を整え、腹腔鏡手術を行っています。

 手術の内容は小さく開けた穴から棒状の手術機器を使い、人体に埋め込んでも問題がない素材で作られたメッシュで、弱くなった穴の部分を面で補強するものですが、手術は通常2~3人の医療者で行われ執刀医はもとより、助手として介助する者にも安定したスキルが要求されます。

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大橋直樹

大橋直樹

日本外科学会認定外科専門医、全日本病院協会認定臨床研修指導医。東京外科クリニックグループでの日帰り手術の件数は2022年4月末日時点で3101件。

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