時間栄養学と旬の食材

マタタビは古くから関節痛や疲労回復の薬として使われている

キウイフルーツの仲間

 マタタビという名前も、「いくら疲れていたとしても、また旅ができるくらいに元気になれる」ことからつけられたという説もあるほどです。

「食べる温泉」とも呼ばれ、ダルさが抜けないときなど、就寝前にマタタビ茶を飲むことで疲労回復を促す民間療法もいまだ残っている地域があります。さらに、マタタビに含まれているα-リノレン酸によって抗炎症作用を持つことが分かっていて、傷、リウマチ、アレルギーなどにも効果を発揮するという報告もあります。

 その他、目の健康を維持するビタミンA、免疫力アップに関わる抗酸化作用の強いビタミンC、消化吸収を助けてくれるアクチニジン、精神安定効果のあるマタタビ酸、利尿作用のあるポリガモールなどの有効成分が含まれ、血流改善や疲労回復などに効果を発揮します。

 マタタビの実には小さい楕円形と丸く大きく膨らんだものがあるのですが、楕円形の実は味噌漬けなどにして食用にし、丸く膨らんだ果実の方は薬用として使う地域が多いとか。その他、辛みを利用した炒め物や独特な風味を楽しむ天ぷら、ホワイトリカーに漬けたり、乾燥させてお茶にしたり、さまざまな加工を施したマタタビを口にすることができそうです。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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