痛みのない暮らしを取り戻す

注射で交感神経の緊張を緩和しアトピー性皮膚炎のかゆみを軽減

写真はイメージ

 私の元には、いろんな病院で診てもらったけれども治らない・改善しないといった患者さんが大勢いらっしゃいます。医者からサジを投げられた方も少なくありません。

 その中のひとり、ある女性の患者さんのお話を紹介しましょう。

 40代前半のAさんは幼少期からアトピー性皮膚炎に悩まされ、いろいろな病院を転々としましたが、思うように改善せず、ステロイドに加え、免疫抑制剤の塗り薬を使ったりもしていました。

 重度のアトピー性皮膚炎は、炎症が体内で発生しているわけですから、激しいかゆみを伴い、その結果、皮膚が象のように乾燥して硬くてシワシワになってしまいます。色も紫色になり、外見の問題からも精神的な苦痛を伴う疾患です。Aさんは若い頃からつらい思いをされていました。

 15年前、この症状をなんとかできないかと、調べあげた末に私のクリニックに来られました。当時、Aさんのアレルギーの指標であるIgEは「16863」というものすごく高い値を示していました。

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西本真司

西本真司

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

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