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首の激痛がつらい…ドクターショッピングの末に来院した85歳女性

写真はイメージ

 40代でアトピー性皮膚炎と関節リウマチを発症した房子さん(仮名)。現在85歳ですから、病歴はかれこれ40年以上になります。アトピー性皮膚炎も膠原(こうげん)病も、さまざまな種類の薬が登場したのは近年になってから。房子さんが治療を開始した40年以上前は薬の選択肢はごく限られており、しかもその時代は長く続きました。

 房子さんの話では、ステロイドや免疫抑制剤の使用経験があり、いずれも使い始めの頃は効果があったそうですが、次第に効かなくなってきたとのこと。使い方が適切でなかったのか、薬に対する耐性が出現したのか。薬というのは長年使っていると体の中で耐性が働くようになり、効きづらくなることは少なからずあります。そもそも、ステロイドの内服薬(飲み薬)は、副作用の観点から、長期的に使うものではありません。

 7年前、房子さんが初めて来院されたとき、アトピー性皮膚炎はかなり悪化。皮膚は腫れて膿(うみ)が出ていましたし、首の激痛が我慢できない状態でした。

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西本真司

西本真司

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

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