東洋医学を正しく知って不調改善

「指圧」はなぜ効くのか? 圧による反射で神経や機能を調整するから

(C)日刊ゲンダイ

 素手で直接体に刺激を与え、不調を治す治療法を「手技療法」と言います。皆さんが思い浮かべるマッサージはヨーロッパから伝来したもので、本来衣服の上から行うことはなく、皮膚に直接滑剤などを用いて行います。一方、東洋医学の手技療法には「按摩」や「指圧」などがあり、基本的に衣服の上から行うといった違いがあります。

 按摩は奈良時代に中国から日本に渡ってきたとされています。手の指やこぶしをつかって揉んだり叩いたりすることで、筋肉のコリを取り除き、組織の循環を良くし、新陳代謝を高め体の機能調節を促します。

 それに対し、指圧は江戸時代に民間に広まった日本生まれの手技療法です。手のひらや指を使い、体にゆっくり圧をかけていきます。圧による反射で神経や筋肉の機能を調整するのです。

 按摩も指圧も、全て刺激で起こる生体反応による治療法。その作用は刺激の度合いで2つに分かれます。

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中村幹佑

中村幹佑

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。

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