Dr.中川 がんサバイバーの知恵

ソフトバンク大関友久投手は精巣がんの手術を告白…大きさは鶏卵ほどに

ソフトバンクの大関友久投手(C)共同通信社

 では、どうやって早期発見するか。早期は、痛みのないしこりや腫れが特徴です。通常、いわゆる睾丸の硬さや大きさに左右差はありません。それが精巣がんになると、違いが現れます。しこりはスーパーボールのような硬さ、大きさは鶏卵ほどと表現されることもあるほどです。

 しかし、痛みがないゆえに、自分で触ったり、はっきりと見たりしないと気づきません。入浴中は裸で、洗うときなどに気づきやすいといわれます。また、セックスの最中にパートナーが気づくこともあります。

 進行してリンパ節に転移すると、腹痛や腰痛、肺に転移すると息切れや呼吸困難が発生します。

 精子と卵子が受精すると、精巣と卵巣の区別なく、胎児のお腹の中にあります。妊娠2カ月ごろに男になることが決まると、精巣は成長につれて少しずつ下りてきて、鼠径(そけい)部から体の外の陰嚢(いんのう=睾丸)に収まる経過をたどるのです。

2 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事