VRで学ぶストレスマネジメント 検証試験で抗うつ効果証明

コロナ禍で心が疲れている人にも(C)日刊ゲンダイ

■アバターでの参加なので人の目が気にならない

「効率的なのはグループセラピーですが、見知らぬ人と一緒に、ということに抵抗を示す人は少なくありません。他人にどう見られるかが気になる社交不安症や摂食障害の患者などは、他の参加者の視線が気になり足が重くなりがちです」

 しかし、メタバースならどこにいても参加できる。アバターなので、他人の目を気にせず話に集中できる。その一方で、「人とつながっている」という安心感や連帯感が生まれる。調子が悪かったり、興味がなければ途中で気兼ねなく抜けられ、休むのにも抵抗がない。

「おうちdeストレスマネジメント」で用いるプログラムは、宗医師がかつて在職した慶応大学病院で患者に提供していたコンテンツを、一般向けに改変したもの。

 その後、2021年にはうつ状態で苦しむ全国の会社員約100人を対象に実施。6週にわたる厳密な検証試験(無作為化比較試験)を通じて抗うつ効果が証明され、その結果は第117回日本精神神経学会(2021年)で学会報告もなされている。

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