健康の「素朴な疑問」

食事の西洋化は米軍の食料援助から始まった 戦前は糖尿病が少なかった

ハンバーグやコロッケは今では晩ごはんの定番

 実際、昭和39年に米国の上院議員が「学校給食で米国のパンやミルクが好きになった子供たちが成長して、日本は米国農産物の最大の顧客になった」とコメントしたのは有名なお話です。

 読者の中には、昭和30年代にキッチンカーと呼ばれる移動販売車が全国を走り回っていたことを覚えている人もいるかと思います。米国産の小麦や大豆を使う料理を実演して、日本の食卓に西洋料理を浸透させる役割を果たしました。また、当時はまだ珍しかったテレビ放送でさまざまな料理番組が放映され、ハンバーグやクリームシチュー、コロッケやグラタンといった小麦粉、肉、牛乳、卵を多く使われる料理を紹介していました。

 むろん、キッチンカー、テレビの料理番組、婦人雑誌の料理コーナーすべてが米国産の農産物を日本人に購入させるための仕掛けというわけではないでしょうが、日本人の食生活を大きく変化させるきっかけになったのは間違いありません。

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