注目の「機能性表示食品」フードロスの解決も期待できる

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 今回の学会演題で注目されたのが「高アミロース米を使った米粉による嚥下食の開発」だ。高アミロース米の米粉は水を加え加熱してのり状にしたあと放置すると、ゼリー状に固まる。この現象を嚥下食として利用した。国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」(農研機構)食品研究部門上級研究員の芦田かなえ氏が言う。

「米の主成分である澱粉は、直鎖状に結合したアミロースと枝分かれ構造のアミロペクチンと呼ばれる2種類の成分からできています。通常の米はアミロースが15%ほどですが、これを25%以上にしたものが高アミロース米です。嚥下機能に障害がある人は、噛む力、のみ込む力が低下しており、普通の食事は食べられません。ごはんを嚥下食にするために、おかゆを炊いて酵素とゲル化剤を加えてミキサーにかけるのは従来大変な手間でした。高アミロース米の米粉から調理したゼリーを嚥下食にできれば、調理の手間を格段に省けると考えています」

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