しかし、すべてのがんはそう簡単には治ってくれません。固形がんで、手術で切除できればいいのですが、進行したがんでは、転移があってそのようにはいかないことも多くあります。
がんの薬物治療においては、抗がん剤の時代から分子標的治療薬、そして免疫チェックポイント阻害薬(ICI)と免疫治療の時代へ進んできました。末期的病状の方でも、起死回生、元気で長く生きる方も増えてきました。
ICI治療では、うまく効いて検査画像からがんが消えた方もたくさんおられます。たとえば、2回のICI治療で肺の影が消え、1年ほど治療を続けてからやめたら再発し、また治療を開始したら再度消えた方がいらっしゃいます。がんが消えてからさらに何回治療すればいいのか、治ったと言えるのか。それが分かるには、まだ時間がかかるのではないかと思います。
■がんが消えたら完治したといえるのか
がんと向き合い生きていく