そうした画像診断機器の進歩や変化に合わせ、手術の技術レベルも高められるようになり、その技術を駆使することで患者さんの安全性もさらに高まりました。正確で詳細な画像のおかげで最適な答えがはっきりわかるため処置に迷いがなくなり、手術がスピーディーになって患者さんの負担が減るのです。
■対応力よりも応用力が重要
“かつて”を知っているベテラン外科医の中には、画像診断機器の進化に対応できずギブアップしてしまったり、ついていくので精いっぱいという人もいます。
一方、スマートフォンに代表されるような進化したテクノロジーが当たり前に存在し、常識的に受け入れられている若手医師にとっては、最新の画像診断機器への対応はまったく苦にしていません。
ベテランだろうが若手だろうが、日々進化する技術への対応力よりも、肝心なのは自分の頭の中にどれくらいの応用力があるかどうかです。どれだけ優れた画像やデータが得られても、それをしっかり解釈し応用したうえで治療に反映させることができなければ意味がありません。技術の進化を最大限に生かすために、どれくらいさまざまな解釈を持っていて、取捨選択できるのか。いわゆる専門医としての最終判断がいちばん大切なのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」